経営者のヒント
ホームページの担当者が退職したときに確認しておきたいこと
「ホームページを担当していた社員が退職することになった」「前任者が辞めてから、ホームページのことがよく分からない」。ホームページの管理には、WordPressだけでなく、サーバー、ドメイン、メール、各種サービスなど複数の情報が関係していることがあります。担当者がいなくなってから困らないように、退職・異動の際に確認しておきたい項目を整理しておきましょう。
1.担当者がいなくなる前に確認する
ホームページの引き継ぎで大切なのは、担当者が退職してから調べ始めるのではなく、可能であれば在籍している間に確認することです。
ホームページは、管理画面のIDとパスワードだけ分かればすべて管理できるとは限りません。
実際には、複数のサービスや契約が関係していることがあります。
- ホームページの更新方法
- WordPressなどの管理画面
- レンタルサーバー
- ドメイン
- メール
- アクセス解析
- Google Search Console
- 制作会社や保守会社との契約
- バックアップ
- ホームページで利用している外部サービス
「ホームページのパスワードを引き継ぐ」だけではなく、「ホームページに関係しているものを会社として把握する」と考えると整理しやすくなります。
2.WordPressなどの管理画面を確認する
WordPressなどのCMSを利用している場合は、まず管理画面について確認します。
確認したいのはログインできるかどうかだけではありません。どのユーザーが登録されていて、それぞれどのような権限を持っているのかも確認しておきましょう。
- 管理画面のURL
- 現在登録されているユーザー
- 後任者が利用するアカウント
- 管理者権限を持つアカウント
- 登録されているメールアドレス
- 退職者のアカウントを今後どうするか
WordPressには管理者・編集者・投稿者など複数の権限があり、できる操作が異なります。
後任者が記事の更新だけを行うのか、プラグインや設定なども含めて管理するのかによって、必要な権限も変わります。
また、退職する担当者個人のアカウントをそのまま後任者へ渡すのではなく、必要に応じて後任者用のアカウントを用意し、不要になったアカウントを整理することも検討しましょう。
WordPressの管理画面URLやID・パスワード自体が分からない場合は、「WordPressのログイン情報が分からないときの確認方法」も参考にしてください。
3.レンタルサーバーの契約情報を確認する
WordPressにログインできても、サーバーの管理情報が分からないと、将来困ることがあります。
サーバーでは、ホームページのデータだけでなく、メールやデータベース、バックアップなどを管理している場合があります。
- どのサーバー会社を利用しているか
- 契約者は会社か個人か
- 契約管理画面へログインできるか
- 登録メールアドレスは何になっているか
- 料金の支払い方法はどうなっているか
- 契約の更新時期はいつか
- 自動更新になっているか
特に確認しておきたいのが、契約名義と登録メールアドレスです。
退職する担当者個人の情報で契約している場合は、そのままにせず、今後会社として管理できる状態に変更できるか確認しておきましょう。
4.ドメインの管理情報を確認する
「example.co.jp」や「example.com」など、ホームページのアドレスとして使用しているものがドメインです。
ドメインもサーバーとは別に契約・管理されている場合があります。
普段あまり触ることがないため、担当者が退職してから「どこで管理しているのか分からない」となることもあります。
- どこの会社でドメインを管理しているか
- 契約者・名義は誰になっているか
- 管理画面へログインできるか
- 登録メールアドレスは何か
- 更新期限はいつか
- 料金の支払い方法はどうなっているか
- 自動更新の設定はどうなっているか
ドメインはホームページやメールの利用に関係する重要な情報です。更新や管理に必要な情報が特定の担当者だけに依存していないか確認しておきましょう。
5.ホームページで利用しているメールを確認する
ホームページでは、問い合わせフォームや各種サービスの登録先としてメールアドレスが使われています。
退職者のメールアドレスが設定されたままになっていると、重要な通知を誰も確認できなくなる可能性があります。
- 問い合わせフォームの送信先
- WordPressに登録されているメールアドレス
- サーバー会社からの通知先
- ドメイン会社からの通知先
- 各種外部サービスの登録メールアドレス
- エラーやセキュリティ通知の送信先
担当者個人のメールアドレスではなく、必要に応じて会社で継続して確認できるメールアドレスへ変更することも検討しましょう。
6.Google関連サービスの管理権限を確認する
ホームページの運営では、Google Search ConsoleやGoogle アナリティクスなどを利用していることがあります。
これらはホームページとは別のGoogleアカウントで権限が管理されています。
退職者の個人アカウントだけが重要な権限を持っていないか確認しておきましょう。
- Google Search Consoleを利用しているか
- Google アナリティクスを利用しているか
- 会社側でアクセスできるGoogleアカウントがあるか
- 誰が所有者・管理者になっているか
- 後任者に必要な権限が付与されているか
- 退職者の権限を今後どうするか
Google Search Consoleでは所有者とユーザーで権限が異なり、所有者は他のユーザーの追加や削除なども行えます。
そのため、退職者だけが管理できる状態になっていないかを確認することが重要です。
7.制作会社や保守会社との契約を確認する
ホームページの制作や管理を外部へ依頼している場合は、契約関係も引き継いでおきましょう。
担当者だけが制作会社とやり取りしていた場合、会社側に契約内容や連絡先が残っていないことがあります。
- 制作会社・管理会社の会社名と連絡先
- 担当者の名前
- 現在どのような作業を依頼しているか
- 保守・管理契約の内容
- 毎月・毎年発生している費用
- 修正を依頼するときの方法
- サーバーやドメインを制作会社が管理していないか
過去の見積書・請求書・契約書・メールなども、後任者が確認できる場所へまとめておくとよいでしょう。
8.有料テーマ・プラグイン・外部サービスを確認する
ホームページによっては、WordPressの有料テーマやプラグイン、フォーム、予約システムなどの外部サービスを利用している場合があります。
これらも担当者個人のアカウントで契約されていないか確認しましょう。
- 有料テーマ
- 有料プラグイン
- 予約システム
- 問い合わせフォーム関連サービス
- メール配信サービス
- 画像・動画などの外部サービス
- その他ホームページと連携しているサービス
特に有料サービスは、契約者・登録メールアドレス・支払い方法・更新時期を確認しておくと安心です。
9.バックアップと更新方法を確認する
後任者がホームページを引き継ぐ場合、普段どのような作業を行っていたのかも確認しておきましょう。
IDやパスワードだけ渡されても、何をどのように更新していたのか分からなければ、実際の運用を続けられません。
- お知らせの更新方法
- ページの修正方法
- 画像の追加・変更方法
- WordPressなどの更新を誰が行っているか
- バックアップを誰が行っているか
- バックアップデータがどこにあるか
- 不具合が発生したときの連絡先
可能であれば、担当者が実際に操作しながら後任者へ説明し、必要な内容を簡単な手順書として残しておくと引き継ぎしやすくなります。
管理情報は分かっていても、実際にホームページを変更できない場合は、「ホームページを自分で更新できないときはどうする?原因と対処法」で原因ごとの確認方法を紹介しています。
10.個人アカウントだけに依存していないか確認する
引き継ぎで特に確認しておきたいのが、担当者個人のアカウントへの依存です。
たとえば、担当者個人のメールアドレスやGoogleアカウントだけで重要なサービスを管理していると、その人が退職した後にアクセスできなくなる可能性があります。
次のような状態になっていないか確認してみましょう。
- 担当者個人のGoogleアカウントだけが管理権限を持っている
- 担当者個人のメールアドレスが各種サービスに登録されている
- 二段階認証が担当者個人のスマートフォンだけに設定されている
- 支払いに個人のクレジットカードを使用している
- IDやパスワードを担当者しか知らない
会社のホームページで利用する重要なサービスは、担当者が変わっても会社として管理を継続できる状態にしておくことが大切です。
11.後任者が実際にログインできるところまで確認する
「IDとパスワードを資料にまとめたから引き継ぎ完了」とするのではなく、後任者が実際に必要なサービスへアクセスできることまで確認しておきましょう。
古いパスワードが資料に残っていたり、二段階認証で前任者のスマートフォンが必要になったりすることもあります。
- WordPressへログインできる
- サーバー管理画面へログインできる
- ドメイン管理画面へログインできる
- Google関連サービスへアクセスできる
- 必要な権限が付与されている
- 二段階認証を利用できる
- 実際にホームページを更新できる
引き継ぎは「情報を渡した」ではなく、「後任者が実際に管理できる状態になった」まで確認すると安心です。
12.今後は会社として管理できる状態にする
担当者の退職をきっかけに、ホームページの管理方法そのものを見直すことも大切です。
一人の担当者しか分からない状態では、将来また同じ問題が起こる可能性があります。
- ホームページに関する契約を一覧にする
- 管理画面やサービスを一覧にする
- 必要なID・パスワードを適切に管理する
- 契約更新時期を把握する
- 社内の担当者を明確にする
- 外部へ任せている範囲を明確にする
- 担当変更時の引き継ぎ方法を決めておく
ホームページを誰か一人の「知識」に頼るのではなく、会社として管理できる状態にしておくことで、担当者が変わった場合にも対応しやすくなります。
まとめ
ホームページの担当者が退職・異動するときは、WordPressのログイン情報だけでなく、ホームページ全体の管理状況を確認しておきましょう。
最低限確認しておきたい項目は次のとおりです。
- WordPressなどの管理画面とユーザー権限
- サーバーの契約・管理情報
- ドメインの契約・管理情報
- ホームページで利用しているメール
- Google Search Consoleやアクセス解析の権限
- 制作会社・保守会社との契約内容
- 有料テーマ・プラグイン・外部サービス
- バックアップと普段の更新方法
- 個人アカウントに依存していないか
- 後任者が実際に各サービスへアクセスできるか
すべての情報が揃っていない場合でも、分かっていることから一つずつ整理することが重要です。担当者が変わってもホームページを継続して管理できる状態を作っておきましょう。
ここまで読んで、自社の場合が気になった方へ
ホームページを作る前・見直す前に、
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ホームページの管理状況が分からなくても、すぐに作り直す必要があるとは限りません。
まずは現在の状況を確認し、これから必要なことを整理してみましょう。
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